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研究の一環で1月に開催された「わんわんマルシェ」。連れた犬を介してコミュニケーションが始まる=2024年1月6日午前10時11分、相模原市中央区の麻布大学、三木一哉撮影

 犬と人間の共生が、犬にも人にも社会にもいい影響をもたらす「三方良し」となる――。こんな仮説を科学的に証明しようという研究が、麻布大(相模原市)で進められている。

 研究グループを率いるのは、獣医学部の菊水健史教授(介在動物学)。菊水教授は2000年、研究のために滞在した米国・ボストンで犬を飼い始めた。

 「私は異邦人の孤独な過客だったのですが、犬の散歩に行くと地元の人たちが気軽に声をかけてくれ、次々に友達になったんです」

 自身が参加した思春期の子どもを対象にした調査では、犬を飼っている子どもはウェルビーイング(心身ともに満たされた状態)が維持され、よい影響があるとわかった。

 こうした経験から菊水教授は…

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